ユーザニーズに応えてAIシステムのオンプレミス版をエンハンス。アイピーキューブの製品を組み込むことで、最新ID管理機能の短期開発に成功

富士通は、AI(人工知能)オンプレミスシステムにアイピーキューブ製品を組み込むことで、マルチユース対応のID管理機能を短期開発。スピード感あるエンハンスに成功しました。

課題オンプレミスシステムをシングルユースからマルチユース対応へエンハンスし、多様なユーザニーズにきめ細かく応えたい。
効果EntryMasterを組み込むことで、信頼性・拡張性 の高いID管理機能を、短期かつ低コストでオンプレミス システムに追加し、マルチユース対応を実現できた。


富士通のAI(人工知能)関連のシステム・サービスの統一ブランドが、「FUJITSU Human Centric AI Zinra(ジンライ)」

富士通のAI(人工知能)関連のシステム・サービスの統一ブランドが、「FUJITSU Human Centric AI Zinra(ジンライ)」です。30年以上にわたって研究を続けてきた富士通AIの知見と技術が、Zinraiに結集しているのです」と、AIサービス事業本部 プラットフォーム事業部 部長の北村嘉朗氏は語ります。
AIの要素技術の中でも、いま注目度が高いのが「ディープラーニング」です。人間が解析条件を設定せずに、コンピュータが自分でデータ処理を重ねながら効果的な解析条件を自動抽出するという機械学習の新技術です。ディープラーニングでデータ活用を高度化することで、さらなるビジネス拡大や変革ができるのではないかと、先進的な企業はさまざまなアプローチで導入・活用を模索しています。ディープラーニングで効果を出すには、これまでは考えられなかったほど膨大なデータを超高速に処理しなければなりません。富士通は、世界最速クラスのディープラーニング基盤を開発し、2017年4月、クラウドサービスとオンプレミスシステムの2形態で発売しました。
クラウドサービス「Zinraiディープラーニング」は、検討段階でも利用しやすく、すでにさまざまな企業がコールセンター支援、金融業の窓口業務支援、プラントの故障予測などのAI適用検証に取り組んでいます。
一方で、ディープラーニングはやりたいが、データを社外にだしたくないというお客様もいらっしゃいます。オンプレミス向けの「FUJITSU AIソリューション Zinraiディープラーニング システム」は従来のCPU(Central Processing Unit)の代わりに、高速GPU (Graphics Processing Unit)を用いることでディープラーニングのデータ処理能力を高めた「GPUサーバ」と、ストレージに、ディープラーニングに必要なソフトウェアを最適統合して提供するハード・ソフト一体型のソリューションであり、企業はデータの超高速処理を社内で行うことができます。


EntryMasterを組み込むことでマルチユースに対応できるID管理機能を実現

2017年4月、クラウドサービスと同時に発売した「Zinraiディープラーニング システム」は、ID管理の機能が基本的な認証機能だけを備えたシングルユース対応でした。しかし、社外に出したくない貴重なデータを集めて新しい角度から解析する戦略的なシステムにおいて、マルチユースに対応できる高度なID管理はなくてはならない重要な機能です。「Zinraiディープラーニング システム」のID管理機能を短期にエンハンスして、マルチユースに対応したいと考えました。しかし、ゼロから自社開発していると、検証・評価のプロセスに時間がかかりすぎます。エンハンス時期を遅らせてしまうリスクを避けるには、ID管理製品として開発され、製品として検証を重ねてすでに品質が確保されているソフトウェアを買ってきて、組み込むのが得策だと考えました」と北村氏は説明します。
組み込む製品として白羽の矢が立ったのが、アイピーキューブのID統合管理システム「EntryMaster」です。
「EntryMaster」はちょうど2017年10月発売に向けて開発の最終段階にあり、最新システムで求められるID管理の先進機能を網羅していました。
「われわれの製品の内部に組み込みやすいのも、『EntryMaster』の特長でした。個別カスタマイズの要求にいちいち個別プログラミングで対応するのではなく、カスタマイズを大前提にした構造になっており、操作画面のカスタマイズもとても容易にできました」と北村氏。富士通では、「EntryMaster」以外の選択肢として、OSS(オープンソース・ソフトウェア)もいくつか調べましたが、OSSではサポートを富士通側ですべて担わなければならないため、最終的に採用しませんでした。「EntryMaster」であれば、トラブル対応、機能追加・性能向上、OS更改時の対応などをアイピーキューブが担いつつ、富士通とアイピーキューブが一体になってお客様をサポートしていくことができます。「また、『EntryMaster』を『Zinraiディープラーニングシステム』に組み込んでユーザ企業へOEM提供する形になるわけですが、ライセンス料金の設定についてもアイピーキューブは柔軟に対応してくれました」と北村氏は明かします。
「EntryMaster」のもうひとつの魅力は、拡張性です。ID統合管理システム「EntryMaster」、多要素認証システム「AuthWay」、シングルサインオンシステム「CloudLink」の3製品は、共通フレームワークのもと、親和性をもって統合利用できるソリューションとなっています。


急成長市場だからこそ求められる着実なサポート

日本のAI市場は、これから大きく成長すると見込まれています。「Zinraiディープラーニング」、「Zinraiディープラーニングシステム」も、さらなるエンハンスとスケールアップを重ねていくことになるでしょう。
「総合ICTベンダーの富士通ですから、大規模処理からエッジデバイスまで総合的で幅広い利用形態に対応し、“誰でも使えるAI”を目指していきます。『Zinraiディープラーニングシステム』も、お客様の目線で『わかりやすさ』『導入しやすさ』を追求して、さまざまな業務や業種に対応するソフトウェアを充実させていきます」と木原氏は意欲的に語ります。
「AIシステムは、技術の進化・変化が最もめまぐるしい分野であり、スピード感のあるきめ細かなサポートをお客様の身になって提供していかなければなりません」と木原氏は指摘します。アイピーキューブには、10年、20年という長い単位でのサポート継続を見据えながら、スピード感をもって対応していくという新たな取り組みが期待されています。


富士通株式会社 システム構成イメージ



導入製品製品情報
EntryMaster製品名:EntryMaster
製品概要:ID管理システム
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お客様プロフィール

富士通株式会社
トータルソリューションビジネスを提供する総合ITベンダー。ICT分野において各種サービスを提供するとともに、サービスを支えるプロダクトおよび電子デバイスを開発、製造、販売、保守運用。設立1935年。資本金3,246億円 (2016年3月末現在)。
●本店:神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
●本社:東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター

URL:http://www.fujitsu.com/jp/